最近、なんだか疲れやすい、夜もなかなか眠れない、と感じていることはありませんか?また、お酒を飲みすぎてしまい、翌日にはひどい二日酔いで苦しむこともあるかもしれません。そんなお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。今回は、そんなあなたのために、おばあちゃんから教わる、昔ながらの知恵をいくつかご紹介したいと思います。簡単に実践できる方法ばかりなので、ぜひ試してみてください。
疲れやすいときは、にんにくのすりおろしを土踏まずにつける。
にんにくに、数々の効果があることは、古くから知られ、すでに奈良朝の文献に、そのことが見られるということです。神経痛のときにんにく灸をしたり、ちょっと疲れると土踏まずににんにくのすりおろしを小麦粉で練って貼ってよく効いたという話は、おばあちゃんたちの年代の人なら、だれでも知っていることでしょう。
にんにくの研究で有名な小湊潔博士が、にんにくの有効成分を抽出し、これにスコルジニンと命名した経緯があります。にんにくに含まれる、スコルジニンに末梢神経を拡張させ、血行をよくする作用があるそうです。
いっぽう、土踏まずというのは、どなたでも体験的にご存知でしょうが、疲れたときにもんだり、押したりしてもらうと、ひじょうに気持ちよい場所です。これも理由のないことではなく、東洋医学では、この場所を「湧泉」と名付けて、疲れなどの体力減退を回復するためのツボに指定しています。
したがって、土踏まずに、にんにくのすりおろしを貼れば、にんにくの有効成分が土踏まずのツボを刺激し、疲労を回復させると考えられるわけです。
眠れないときは、大さじ一杯の酢を飲む。
眠れないと、すぐ睡眠薬にたよってしまう。現代人のせっかちさと化学薬品過信を、これほど端的に現し、また、その悪弊がはっきり現れてきているものではないでしょう。おばあちゃん流に言えば、それこそ、親から貰った五体を粗末にするものです。
かといって、眠れないのを放っておくのでは、いかにおばあちゃんでも、説得力がありません。ちゃんと方法はあるのです。それは、飲めるくらいの酢味で、大さじ一杯くらいの酢を飲むことです。不眠症は、たいてい、肉体的、精神的な疲労からくるものですから、全身的になるべく早く効く疲労回復剤を投入すればよいことになります。薬品を使うまでもなく、酢が、その役割をはたすのです。
酢が、疲労に効くということについては、面白い実験があります。疲れたとき、pH試験紙を尿につけると酸性を示します。ところが、酢を飲んで二時間ほどして、ふたたび試験紙を尿につけると、今度は人体の理想的なpH度である弱アルカリ性を示すのです。
眠れないという訴えを聞いて、夜遅く台所へごそごそ降りていったおばあちゃんのやり方に、意外な科学性があったわけです。
お酒を飲む前に牛乳を飲むと、悪酔いしない。
飲み会は楽しいものです。楽しさのあまり、自分の適量がわからないのか、飲みすぎて悪酔いし、介抱される人も少なくありません。その悪酔いの予防法としてよく言われているのが、お酒を飲む前に牛乳を飲むとよいということです。
たしかに、空腹のときにお酒を飲むと、胃壁が刺激されて酔いが早く回ります。ところが、牛乳のような脂肪分を豊富に含んでいるものを飲んでおくと、胃壁が脂肪でおおわれ、お酒が胃に吸収されにくくなるというわけです。
足がしびれたら、立ち上がって三歩後ずさりする。
昔の教育を受けたおばあちゃんたちの時代の人は、正座をする生活が多く、したがって、何時間座ってもしびれなどきれなかったと思いでしょうか。けっしてそんなことはありません。
たしかに、かしこまった席で、おばあちゃんがきちんとした正座姿をいつまでも保っていることに驚愕したものですが、それは、それなりの工夫を払っていたのです。まず、しびれをなるべくきらさないようにするには、足の親指と親指が重なるように座ること、足の親指を足裏の方へ力いっぱい押してみること、ときどき親指をぴくぴく動かすことなど、すべて足の血行をよくするための運動を心がけます。
それよりも、何にもまして面白く感じたのは、しびれがきてしまったら、立ち上がった時、後ろへ三歩あるく、ということです。なぜこうするとよいのか、はっきりとした理由は確かでないのですが、ジーンと音を立てそうにしびれた足が、すっと軽くなっていくような気になる、というものです。
足のしびれは、前面よりも、重なり合ったふくらはぎと太ももの血行障害なので、後ずさりすることで、この足の背面を伸ばし、鬱血状態を取り去る効果があるのかもしれないという説が有力です。
まとめ
今回は、昔から語りつがれるおばあちゃんの知恵をいくつかご紹介しました。どれも簡単に実践できるものばかりなので、ぜひ試してみてください。日々の疲れや眠れない夜、そしてお酒の飲みすぎによる悪酔いに悩まされることなく、元気で健やかな毎日を過ごせるようになることを願っています。これからも、皆さんの生活に役立つ情報をお届けしていきます。ありがとうございました。