おばあちゃんの知恵 役立つ暮らしの辞典

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調理器具の手入れとしまい方 土鍋・包丁・まな板・その他調理器具

 お気に入りの調理器具を長く愛用するためには、正しい手入れとしまい方を知っておくことが不可欠です。今回は、土鍋・ホーロー鍋・包丁・まな板・他調理器具に焦点を当て、それぞれの器具を美しく、効果的に手入れする方法をご紹介します。

 

 

土鍋

土鍋は使い始めにおかゆを炊くと割れにくくなる

 土鍋は一旦熱くなると、なかなかさめにくく、鍋料理にはいちばん。使いこんでいくうちにだんだん丈夫になりますが、なんといってももろいだけに、使い始めは、特に、気を配ります。

 まず、火にならせ、土のあくを抜くために、土鍋に水を入れ、とろ火で煮たてます。次に、できれば、とろ火でおかゆを炊くか、牛乳を沸かしておくと割れにくくなります。ヒビが入ったときにもおかゆは効果があります。

 

 

土鍋の底を濡らしたまま火をかけると割れやすい

 土鍋は落としたり、ぶつけたりしたときはもちろん、急激に温度を上げたり、下げたりしてもヒビが入ったり、割れたりします。ですから、底に水をつけたまま火にかけたり、熱い鍋を急に冷たいところに置いたり、いきなり強い火にかけたりしてはいけません。

 また、洗ったあとは、水気を充分に拭きとっておかないと、水気を吸い取ってしまい、われやすくなりますから要注意。

 

 

ホーロー鍋

 

ホーロー鍋の焦げを無理なくとるには

 ホーロー鍋はとてもきれいですが、焦げつかせると後がやっかいです。無理にこすって傷をつけると内部の金属がさびてきて、それこそ一巻の終わり。

 もし、焦げつかせてしまったら、まだ熱いうちに湯とスプーン1杯の重曹を入れて5分ほどそのままにし、スポンジでさっとこすってみましょう。それでも駄目なら4,5日天日に当てると焦げが浮き上がってきますからとり除き、水を2,3回煮立てます。

 

 

包丁

包丁の手入れに野菜くずを利用する

 包丁を見れば料理の腕がわかるとか。

 いつもピカッと光った包丁にしておくためには、ふだんの手入れが肝心です。毎日使い終わったらクレンザーをぬれぶきんつけ、まな板に刃をピッタリつけて、刃の両面を念入りに磨きます。柄の部分もたわしで丁寧に磨き、水気を拭きとりましょう。

 野菜の切りくずにクレンザーをつけて磨くと汚れをおとすだけでなく、目立ての効果もあります。

 

包丁は使い終わったら研ぐ。使い始めの研ぎは不可

 切れ味の悪い包丁は料理の見た目や舌ざわりを悪くするだけでなく、無理な力が入るために、かえってケガをしやすいものです。週に1回は研いで、いつも気持ちのよい切れ味を保つようにしましょう。

 ただし、研ぐのは一日の仕事が終わった後にします。使う直前に研ぐと、金気や砥石のにおいが素材につき、料理の味を台無しにしてしまうので、前の晩に手入れをするわけです。

 

包丁は水をかけながら研ぐとよく研げる

 研ぐ前にまず砥石が平らかどうかを確かめ、もしでこぼこならコンクリートの平らな面にすり合わせるなどして直しておきます。砥石は充分に水を含ませ、ぬれぶきんを下に敷いて安定させてから始めます。刃と砥石の角度を30度ぐらいに保ちながら、両刃は裏表とも20~30回、片刃は表80回、裏20回ぐらい、水をかけながら研ぎます。しばらく使わない包丁は新聞紙に包んでしまっておきます。

 

 

まな板

まな板をよごさずに下ごしらえする方法。新聞紙を利用

 肉や魚を調理するとき、いきなり、じかに材料をまな板にのせてしまったのでは、後の始末が面倒です。そこで、たとえば魚をおろすときには、まな板の上に新聞紙を広げ、その上でうろこやあらをとり除き、それらを新聞紙にくるんで捨てると、まな板はそんなに汚れませんし、においの移りも少なくてすみます。肉の場合も包装紙を広げ、その上で切るようにすれば、手入れがぐんと楽になります。

 

生臭いものを切ったあとは水で流す。お湯は禁物

 まな板も長い間使っていると、どうしてもにおいや雑菌がついたり、よごれが目立ってきます。そんなとき、おばあちゃんは、まな板をたわしでゴシゴシ洗ったあと、レモンの切れ端で表面をこすり、そのまま置いていました。

 今では台所用漂白剤を使う方が手軽でしょう。なお、生臭いものを切ったあと、いきなりお湯をかけるとにおいがしみ込むうえ、汚れが落ちにくくなりますから、初めは水で流すようにします。

 

使い捨てのまな板も重宝

 肉も魚も野菜もみんな一枚のまな板ですませてしまうのは、衛生の面からもにおいの面からも感心しません。といって、狭い台所では、大きなまな板を何枚も置くというのもたいへんです。

 そこで、木製の菓子折をいただいたら、そのふたをまな板として利用するといいでしょう。薬味刻みやチーズ切り、パン切りなど、ちょっとしたものならこれで充分。よごれてきたら惜しげなく捨てられるのが魅力です。

 

 

耐熱ガラス

耐熱ガラスの焦げは重曹で落とす。金属たわしは禁物

 耐熱ガラスの鍋のガンコな焦げつきは本当に困ります。金属たわしでゴシゴシ、力まかせにこすっても思うように落ちないし、第一傷だらけになってしまいます。

 そこで、まだ鍋が熱いうちに湯を入れ、重曹をひとつまみ溶かしてしばらくそのままにしておきます。その後、スポンジでさっとこすればきれいに落ちます。それでも駄目なら、2,3日天日に干してはがします。

 

 

すり鉢

 

新しいすり鉢はまず野菜くずをすって砂を落とす

 買ったばかりのすり鉢は刻み目の中に細かい砂が入っていたり、刻み目の山が鋭すぎて、はじめは、目こぼれを起こすことがあります。そこで、まず大根の葉やキャベツの残りなど、野菜くずをすって刻み目の掃除をし、刻み目の山を丸くしておきます。

 すり鉢を使ったあとはカスが残らないように刻み目に沿ってたわしで洗い、よく乾燥させます。ときには天日に干し、いつも清潔に保つように心がけましょう。

 

 

ふたなしのやかん・電気ケトル

ふたなしのやかんの水あかをとるには

 笛吹きケトルなどは、ふたがないので外側から内部の汚れ具合を見ることができません。その上、手を入れて洗うこともできませんから、つい気になりながらもそのまま使い続けることになりがちですが、長い間には水あかもかなりつくはずです。そこで、思いたったら、ちょっとにおう程度の酢水を入れて、15分くらい沸騰してみましょう。水あかはきれいに落ちます。電気ケトルにもおなじように効果があります。

 

 

まとめ

 お気に入りの調理器具を長寿命で愛用するためには、正しい手入れとしまい方が不可欠です。土鍋、ホーロー鍋、包丁、まな板、すり鉢などの調理器具に焦点を当て、それぞれの調理器具をを美しく、効果的に手入れする方法をご紹介しました。これらの方法を覚えれば、調理器具が長くあなたの味方となり、美味しい料理を生み出す手助けとなることでしょう。

 

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