「洋風料理編 Part3」では、さらに日常の食卓に彩りを添える西洋料理の魅力に迫ります。スパゲティの茹で加減からサンドイッチ、パン粉の使い方まで、料理の基本から応用までを網羅しました。ポーチドエッグの絶妙な作り方や、料理の幅を広げるブールマニエの秘訣など、シンプルな材料と手軽な方法で楽しむことができます。キッチンで新たな発見を求める方々に、ぜひお役立ていただければ幸いです。
- めんを茹でるときの塩加減は、歯ごたえに影響する
- サンドイッチ用のパンは焼きたてよりも半日たったものがよい
- 生パン粉を使いみちに応じてミキサーで作る
- マッシュポテトは熱いうちに裏ごしにかける
- ポーチドエッグは酢と塩を入れた湯で静かに茹でる
- 美味しいエビをもっとおいしくするにはレモン汁を入れて茹でる
- カレー粉をもっと料理に取り入れましょう
- 「ブールマニエ」を覚えておくと、仕上げのとろみ付けが簡単に
- まとめ
めんを茹でるときの塩加減は、歯ごたえに影響する
スパゲティなどのめんを茹でるときは、たっぷりの湯に塩を入れます。塩は1リットルの水に対して、小さじ2の割合。
この塩が、小麦粉に含まれているグルテンというたんぱく質が湯に逃げだすのを防いでくれます。塩を入れ忘れると、このグルテンが伸びきって、めんの量は増えるのですが、腰抜けのものになってしまいます。
スパゲティは歯ごたえが決め手。やや芯の残る程度に茹で上げましょう。
サンドイッチ用のパンは焼きたてよりも半日たったものがよい
サンドイッチに使うパンは、焼きたてのものより、前日あるいは半日たったものを使います。イースト臭さが抜け、味がよく、少々固くなった方が、薄く切りやすいからです。また、パンの消化もよくなります。どうしても焼きたてのパンを使わなければならないときは、冷蔵庫に1時間ほど入れ、少し固くしてから切ったり、包丁を火で炙ってから切ると、切れ味がよくスパッと切れます。
生パン粉を使いみちに応じてミキサーで作る
少し固くなった食パンをミキサーにかけて細かくすれば、良質の生パン粉ができます。ポークカツ、エビやカキフライには粗めに、子牛のころも焼きなどには細かくしたものを使いましょう。細かいパン粉は油の吸収率が少なく、あっさり仕上がります。ハンバーグのたねには、食パンの耳を利用すると、独特の香ばしさが加わります。
また、一味変わったものとして、市販のポテトチップスで作るころももおいしいです。
マッシュポテトは熱いうちに裏ごしにかける
マッシュポテトは、じゃがいもを粉ふきいもにして、熱いうちに粗めの裏ごしにかけます。いもの細胞をばらばらに分離させるため、さめてからでは細胞膜が破れて、中のでんぷんが出て粘ります。熱いうちに手早く裏ごします。絶対にこねまわしたりせずに、ヘラで一度だけこすのが要点です。
新じゃがいもは、でんぷんの成分が不充分で細胞膜も破れやすいため、粉ふきいもやマッシュポテトには向きません。
ポーチドエッグは酢と塩を入れた湯で静かに茹でる
ポーチドエッグを作るときは、熱湯4カップに酢大さじ3、塩小さじ2を加えます。その中に、卵を静かに落とし入れると、卵白が凝固して、自然に形よくまとまります。卵黄が半熟程度になったら、穴じゃくですくい上げ、いったん冷水にとります。これは卵黄が余分な熱で固くならないようにするためです。さめたらふきんで水気をとります。ポーチドエッグはそのまま器に入れたり、トーストの上にのせて食べます。
美味しいエビをもっとおいしくするにはレモン汁を入れて茹でる
好みによりますが、ただエビを茹でただけでは、生臭さが残って嫌だ、という人も多いかと思います。そういう人は、エビを茹でる前に、沸騰させた熱湯にレモン汁を数滴落として茹でます。レモンの香りが、エビの生臭さを消して、驚くほどさっぱりと茹で上がります。レモンがないときは酢でも。
エビの茹で汁は、思いがけないうま味があります。捨てずに和・洋・中いろいろのだしとして使いましょう。
カレー粉をもっと料理に取り入れましょう
カレー粉はカレーライスに使うだけでなく、もっと活用したい調味料です。肉の臭み消しだけでなく、カレー風味が食欲をそそりますし、目先の変わった料理が楽しめます。たとえば、カニグラタンやスープに使えば、インド風になりますし、カレーポテトサラダもよいでしょう。肉のソテーの小麦粉にカレー粉を混ぜれば、バターをかけるだけで、ソースは不要になります。工夫しだいで生かせます。
「ブールマニエ」を覚えておくと、仕上げのとろみ付けが簡単に
ブールマニエとは、バターと小麦粉を同量ずつ加え、よく練り合わせたもので、ソースやスープなどの仕上げに、濃度をつけるために使います。
バターは常温にもどして、ポマード状に柔らかくし、小麦粉を加えて混ぜ合わせます。バターと小麦粉の割合は1対1で、料理に応じて変化させます。濃度を薄くしたい時は、粉を少なめにします。作り置きすると、粉に粘りが出ますので、そのつど作るようにしましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。西洋料理の奥深さを垣間見るこのシリーズも、今回で第3弾。スパゲティの茹で加減や、サンドイッチ、パン粉の使い方から、ポーチドエッグの上手な作り方やブールマニエのコツまで、家庭で手軽に楽しめる料理の秘訣をお届けしました。これらのレシピと技術を取り入れ、キッチンでの新たな発見をお楽しみください。