子供が病気になると、心配でなりませんよね。しかし、おばあちゃんの知恵と経験は、時には現代の医学以上の力を持っていることもあります。ここでは、世代を超えて伝わるおばあちゃんたちの知恵を紹介し、子供の病気を和らげるための方法をご紹介します。
現代医学の進歩は素晴らしいですが、時には自然な方法や祖母の知恵を取り入れることで、子供たちの体を優しく癒すことができることもあります。
- 鼻炎・鼻血体質に れんこんのしぼり汁を飲み、黒焼きの粉を鼻に吹きこむ
- 蓄膿症に キハダの粉末とドクダミの煎じ汁で鼻がすっきりする
- しゃっくりに 柿のへたの煎じ汁か、おろししょうがのお湯を飲む
- あせもに 桃の若葉を浮かべたお風呂で、汗を流すとよい
- 湿疹に 大根のおろし汁を塗ると、酵素の働きで炎症が治まる
- 癇の虫、ひきつけに ユキノシタの生葉を塩でもんでしぼり汁を飲ませる
- 虫下しに さんしょうの実か、樹皮の煎じ汁を空腹時に飲む
- 小さなイボに イチジクの実の白い液やほおずきの赤い汁をつける
- 治りにくいイボに はと麦の煎じ汁を飲むか、水で練って患部に塗る
- まとめ
鼻炎・鼻血体質に れんこんのしぼり汁を飲み、黒焼きの粉を鼻に吹きこむ
アレルギー体質、浸出性体質の傾向がある子供は、鼻の粘膜も弱く、いつも鼻がグズグズしています。そのために、ただれた粘膜がわずかの刺激で傷つき、鼻血を繰り返して出すことが多いようです。
鼻の粘膜を強くするには、れんこんのしぼり汁を飲み続けるとよいです。
特に節の部分に止血作用があるといわれ、これをすりおろしたしぼり汁を、盃に半分から1杯、蜂蜜を入れて口当たりをよくし、毎日飲み続けます。
また、蜂の巣のような形をした蓮房の部分が手に入れば、これも黒焼きにして粉末を作り、1日1回、鼻の奥に綿棒などで塗りつけるか、ストローで吹きこむという方法もあります。
蓄膿症に キハダの粉末とドクダミの煎じ汁で鼻がすっきりする
鼻がつまりやすく、鼻汁はドロッとしてときにはいやな匂いがあるのが蓄膿症。息苦しさのために、集中力がなくなり、活気に乏しくなりがちです。
漢方薬局でキハダの粉末を求め、1日2~3回、1グラムずつ飲むと、2~3日でかなり楽になってきます。
これと併行してドクダミの煎じ汁を用いるといっそう効果的。ドクダミの葉20~30グラム(生なら100~150グラム)を500㏄の水で約半量に煎じたものが一日の服用量。洗う場合はこれを冷まし、塩少々を加えてスポイドなどで注入するとよいでしょう。
ドクダミの異臭成分の働きで、鼻の奥にたまった膿が誘い出されます。
しゃっくりに 柿のへたの煎じ汁か、おろししょうがのお湯を飲む
ちょっとユーモラスなしゃっくりも、本人には苦痛。横隔膜がけいれん的に収縮して起こる現象で、背中をたたいて驚かしたり、息を止めたりすると、横隔膜の神経が刺激されて、しゃっくりが引っ込むことがあります。
それでも止まらない頑固なしゃっくりには、柿のへた10個を200㏄の水で半量に煎じて飲ませてみましょう。柿のへたが無ければ、しょうが3グラムのおろし汁をお湯に溶いたものでもよいでしょう。子供が飲みやすいように蜂蜜を加えてください。
漢方では、柿帯湯(していとう)というしゃっくり止めの薬を使いますが、この中には柿のへたとしょうがの両方が含まれています。
あせもに 桃の若葉を浮かべたお風呂で、汗を流すとよい
赤ちゃんは大人よりずっと汗かきで、しかも皮膚が弱いため、暑い夏には、注意していてもすぐに赤いポツポツのあせもができてしまいます。
あせもを防ぐには、手まめに汗を洗い流すことですが、おばあちゃんはおふろに桃の葉を浮かべて沸かします。桃の葉の成分がお湯に溶け出して、かゆみや炎症を抑えるからで、摘みたての若葉ほど効き目があると伝えられています。また、葉を煎じてその汁をお風呂や行水のたらいに入れると、生の葉のままよりよく効くようです。
桃のほか、梅や桜の葉も同じように利用できます。
湿疹に 大根のおろし汁を塗ると、酵素の働きで炎症が治まる
皮膚の弱い子は、あせもや虫刺されから水泡ができたり、人一倍かゆかったりします。かゆいところをかきむしると、そこから細菌が感染して、とびひなどの厄介な皮膚病を起こすので、かゆみを止める対症療法が必要になりますが、おばあちゃんはこんなとき、大根をおろして、そのしぼり汁を塗ります。ひんやりと気持ちよく、大根の酵素が炎症を抑えてくれるようです。
しかし、湿疹の程度や子供の体質によっては、かえってかぶれることも考えられますので、一部分で試して安全を確かめてから塗りすすめましょう。
癇の虫、ひきつけに ユキノシタの生葉を塩でもんでしぼり汁を飲ませる
癇の虫は、現在の医学では憤怒けいれんといい、強い心の動きによって鈍い声を発して騒ぐ状態です。
ふつうは、これに続いて、全身を硬く突っ張り、10数秒間意識を失うという、ひきつけの発作を起こします。放っておいてもすぐに元に戻りますが、しょっちゅう発作を起こす子には、ユキノシタのしぼり汁を1~2週間続けて与えてみましょう。生の葉を塩でもみ、しぼり汁を5~6滴飲ませます。また、発作のごく初期に飲ませると、けいれんをくい止められることもあります。
虫下しに さんしょうの実か、樹皮の煎じ汁を空腹時に飲む
昔はたいていの家にさんしょうの木が植えられていて、その実は虫下しとして重宝がられていたものです。回虫などの寄生虫が多かったころの知恵です。
さんしょうの実は、夕食を抜いて寝る前に10粒ほど飲むと、翌朝の便に虫が出るといわれています。それでも駆除しきれないときは、さんしょうの樹皮30~40グラムを水900㏄で半量に煎じ、熱くして空腹時に飲みます。
さんしょうの樹皮は辛皮(からつか)といわれ、つくだ煮にして食べる地方もありますが、これは回虫予防にも役立つようです。
小さなイボに イチジクの実の白い液やほおずきの赤い汁をつける
わずかなイボでも、気になり出すとあれやこれやといじりたくなってきます。しかし、素人がかみそりを当てたり針でつついたりすると、いっそう広がってしまいます。
昔から子供たちの間で伝えられてきたイボ治療法の代表は、まず、イチジクの汁。実や葉を折りとると切り口から白い液が出るので、これをイボにつけます。また、ほおずきの実の赤い汁をつけたり、なすのへたを輪切りにした切り口でこするという方法もあります。イボが小さなうちなら、これらの方法で治ることもあります。
治りにくいイボに はと麦の煎じ汁を飲むか、水で練って患部に塗る
いったん広がったイボは、頑固に居座って、子供心に悩みの種になるようです。こうしたイボ治療には、はと麦の煎じ汁が決定版。はと麦15グラムを、500㏄の水で300㏄まで煎じ、これを一日分として、3日~10日間続けて飲みます。シチューに煮込んだり、スープにしてもおいしくいただけます。
はと麦は、ふつうの麦茶のようで子供でも抵抗なく飲めますが、いやがるときは、粉末にしたものを水で練り、1日3回、患部に塗るのも効果的。はと麦には、たんぱく質を分解する酵素があり、この働きで、病的で弱いたんぱく質組織=イボをこわしてくれるのです。
まとめ
子供の健康はいつでも親や家族にとって最優先事項です。古くから伝わる祖母たちの知恵や経験を通じて、子供たちの病気を和らげる方法を紹介しました。おばあちゃんたちの知恵は驚くほど有益なものです。
現代医学の進歩は素晴らしいですが、時には自然療法や祖母の知恵を取り入れることで、子供たちの健康を優しくケアすることができることを示しました。お子さんの体調管理に新たな視点を提供し、家族全員が健康で幸せな日々を過ごせるように、お役に立てれば幸いです。